脚本という仕事

ある物をせっせと書いている。

と言っても、公開はいつになるのか、もしかしたら公開もされないかもしれない物なので、なんともハッキリと言えないのだけど。でも、書いている。

脚本という仕事。僕が人生で初めて「これで食べていきたい」と思った仕事。

脚本という仕事。人生で一番興奮を覚えた仕事。

脚本という仕事。人生の指針になってくれる仕事。

脚本という仕事。人生で一番苦しい経験をした仕事。

脚本という仕事。始めてから今まで、一日として忘れた事の無い仕事。

脚本という仕事。世界で一番楽しくて、一番恐い仕事。

脚本という仕事。人生を変えてくれた仕事。

今の僕の人生は、脚本と出会ってググッと方向を変えた先で辿り着いた現在地だ。

勉強なんて大嫌いで、絶対にサラリーマンになりたくないと、逃げるように飛び込んだ演劇の世界で、偶然始める事になった脚本。才能がある、ない、というより、「自分にもできた!!」という驚きが強かった。何かに秀でた事の無かった僕が、「これなら、もしかしたら」と密かに想いを抱いた。そしてあんなに嫌いだった勉強を、したくてしたくて仕方なくなった。もっと脚本と仲良くなる為に、脚本の事を知る為に、何をすべきか、何をしたら良いのかをひたすら考える事にハマった。それが全てになった。それでも、その世界で戦ってる猛者達と比べたらまだまだまだまだ甘くてヒヨッコな自分がわかったから、更に学びたい。少しでも、少しでも。そうやって過ごしてきた。

未だに、脚本で一生食っていける自信は持てていない。一生続けていく確信も持てない。

難し過ぎる。才能なんていう、不確かなものを、面白いことを考えるなんていう曖昧な能力を、僕は持ち合わせているのか。持ち続けていられるのか。

そんなんだから、毎日脚本の事を考える。何もしなかったら、何にもなれない。何かすれば、何かが変わるかも。不安な未来をかき消すように、僕は毎日必死に前を向いた。

活動休止を決めた今、少しだけ、そんな不安が無くなった。

書かなくて済むからなのか、休めるからなのか。

そうなった途端、また書きたくなった。恐いのに、不安なのに、書きたくなった。

だからせっせと書いてみる。向き合ってみる。

いつか仲良くなれたら良いな。

 

どんな形になるかわからない。どんな結論になるかわからない。

でも、一生大好きでいると思う。

脚本という仕事。

 

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こんな31歳のお話。