もう焼かない
またやってしまったのである。
くれは朝劇終わりの僕だ。
人生には、何度だってやり直すチャンスがある。失敗したって、何度だって立ち上がり、また立ち向かえばきっと次こそは成功できる。
そう信じてきました。結末はいつもハッピーエンドなんだ。
また卵焼きで例えてみたのです。
昨日を軽く越す壊滅的なスベリでした。
もうスベってるというか、溺れていました。
手は震え、自分でも何を言っているかわからなくなり、作品の素晴らしさを卵焼きで例えながら、「なんで卵焼きに例えてるんだろう?」と自問自答。
再びの悪夢です。明らかなやらかしです。
結末は常にハッピーエンドだとしたら、残されたチャンスは千秋楽。次こそ決めるぞ。そう、卵焼きでいう、あの出汁巻を作る時の、形を綺麗に整えて、何回かひっくり返す時の、少しずつ卵を足してって、空いた穴を埋めながら仕上げていくあの感覚で。
もうやめよう。卵焼き。もうやだ。知らん。わからん。卵焼きに対するボキャブラリーが乏し過ぎる。そもそもそないに好きじゃない。もうコリゴリだ。もう卵は焼かない。
そんな話じゃ無いのだ!余計な話を膨らませ過ぎた!
くれは朝劇「夜に生きて、」の話だ。
ネタバレになるので、あまり内容には触れないが、心から素敵な作品だと思う。この作品をプロデュースさせて貰えて、ホントに光栄です。
“私達”である彼女達の、ある変化のお話。
それぞれが、目を背けてきたアイデンティティと向き合う。それは勇気のいることだけど、時に必要なことで、大切なこと。
少し心細くて、不安で震えながら、それでも前へ踏み出す。人のそんなかけがえのない美しい瞬間を目の当たりにした僕は、心から感動した。
また、いつか会える。きっと、会える。
この作品に、今このタイミングで出会えた事の意味を感じて。
そうそれは、まるで卵焼きに砂糖と間違えて塩を入れてしまった時の...
本当に申し訳ありませんでした。